三年稽古

相撲の世界で言う「三年先の稽古」というのは、あらゆる世界に通じる話であって
 
己に当てはめてみれば、初心に帰って自戒としたい言葉だ。

思い出せば、四十にして卓球を始めた僕に、中国から帰化した先生が、

数あるクラブメンバーの中でも最下段に位置する僕に、

「三年我慢できますか?」と当時まだ片言の日本語で言われた。

「はい、もちろん!」と僕は答えた。

「試合に勝つ方法は?」とか目先のテクニックを求めていた他の

クラブ員ではあったが、先生は「ナイスボール!」と言っても

その心はお世辞的であり、僕の耳にも明らかにそう聞こえた。

僕には厳しかった。何度も繰り返しやり直しのレッスンを受けた

そしてまさに三年、僕はクラブの中で中位まで力がついていた。

この時ほど、「三年先の稽古」を身を以て体験したことはなかった。

posted by わたなべあきお | - | -

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