夢を見た・・・。戦場跡のような場所で、僕は案内係をしていた。
黒っぽい帽子を深く被り、表面だけ笑顔をつくり事務的に役をこなしていた。
周回型の列車の中・・・
ある団体が乗り込んできた。見覚えのある顔が近づいてきた。
K君、B君、T君・・・高校時代のクラスメートだ。それも2回生時の・・・。
不思議なことに、彼らはみな詰襟の学生服姿だ。
「やぁ〜久しぶり」誰彼となく声をかけられた。
僕はどう応えていいか分らず、いつものピエロのような笑顔で誤魔化した。
そうだな・・・これは45年前のあの時と同じシチュエーションだ。
どこか突き放したような目線。
でも何かを探り当てたい好奇の眼差し。
彼らは所謂優等生たちだった。
先生にも勝る頭脳の持主もいた。
僕は、困ったことに・・・どういうわけかその集団に組み込まれていた。
共学でありながら、男性だけのトップ50にぶら下がっていた。
具体的目標をしっかり持ち、確実に突き進んで行く集団だった。
そんな中で・・・
僕は意識的に、落ちこぼれていった。
負け惜しみではなく、まさに意識的に・・・。
僕の心は彷徨っていた。とんでもない世界を彷徨っていた。
今思えば、心的病気だったのだろう。
そういう奴ほど、自分は正しいと、狂ってないと思うものだというから・・。
中途半端な空気のなか、彼らは列車を降りて行った。
最後にひとりだけ、心からの笑顔を見せて去って行ったやつがいた。
よく見ると・・・
その人は3回生の時の担任の先生だった。
高校時代の最大の理解者。