なにも期待していないときこそ、思いがけず他人から注がれる優しさや、小さな思
いやりが<旱天の慈雨>として感じられるのだ。そこにおのずとわきあがってくる
感情こそ本当の感謝というものだろう。親切に慣れてしまえば感謝の気持ちも自然
と消えてゆく。だから慣れないことが大切だ。いつもなにも期待しない最初の地点
に立ちもどりつつ生きるしかない。
五木寛之「大河の一滴」
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