置き去りにされた悲しみは
あなた方には分かるまい
置き去りにされた淋しさも
あなた方には分かるまい
大人の浅はかな感覚は
子供の実感には及ばない
外灯のないバス停で
ひたすら帰りを待っていた
田舎町の運行間隔には怒りさえ覚えた
もう七十年の年月を経ても
こびり付いて離れないあの時の淋しさ悲しさ
わかっていたさ
いや今なら言えるさ
それだけの存在の自分であったと
そんな自分を
天の実母は
どんな思いで見ていたのだろう
そこのあなたに温もりを求めるには
僕はまだまだ幼すぎた