朝の風景

まだ薄暗い夜明け前、コトンという音で新聞屋さんと分かる

ガレージへ行く坂道、前照灯を点けたままの牛乳屋さんの車と出会う

早朝ジョギングやウオーキング、犬の散歩の人たちが家から出てくる

マンション越しの東の空に、今日の天気を予測する

僅か五分の間に、朝空は激しく変化する

白い月が申し訳なさそうに薄ぼんやりと浮かんでいる

五十台ほどのガレージは、まだ一台も動く気配はない

フロントガラスの曇りに季節の変化を感じ取る

片道700メートルの歩行を億劫がっていたのでは老いの証だ

両頬を叩いて運転キーをオンにする

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posted by わたなべあきお | - | -

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