久しく収まっていた野良猫のゴミ漁りが始まった。
これまではあちこちで食料調達できていたということか?
カラスはまったく見かけないが・・・。
うちの出した袋がやられたということもあり、せっせと掃除をした。
なんの感傷だろうか?
不思議と怒りの気持ちは湧かず
それどころか、あの白ネコの命を思った。
ふと心配になり、辺りを探してみると
隣のマンションとブロック塀のわずかな隙間に
寝どころを構えていた。
往年の貴婦人の姿は失せて
立派な艶のあった白い毛も、今は薄汚れてしまっている。
迷子だったのか、棄てられたのか分からないが
当初はホントに品のあるネコだった。
なぜか自分の若いころと気持ちが重なる。
寝袋ひとつの流離いも苦ではなかったが
いつも心で泣いていた。