〇いやしくも、この世に生をうけた以上、それぞれの「分」に応じて一つの
「心願」を抱き、最後のひと呼吸まで、それを貫かねばならぬ。それには、
朝起きてから夜ねるまで、極力「腰骨」を立てつづける。これがわれわれ
人間にとって性根を入れる極秘伝。
〇腰骨を立てるには次の三段階を心して。
第一、尻を思い切り後ろにつき出すこと。
第二、反対に腰骨をウンと前へ突き出す。
第三、下腹に心もち力を入れると肩のキバリがスキッととれる。
そして、二六時中こうしていないと、気分がダラケて気色が悪いと
思うようになればまずまずという処。
「不尽片言」 森 信三 述 寺田清一 筆録