背景の記憶(174)

忘れてしまいたい記憶こそ、いつまでもいつまでも

脳裏に焼き付いて離れないものだ。

空腹に耐えられず、店先のリンゴ一個に手を伸ばしたとき・・・

母親の買い物籠の中の財布に手を伸ばしたとき・・・

海に落ちて、友達の差し出した釣竿に掴まったとき・・・

路地を飛び出して、車のドアにおでこを擦られたとき・・・

あの時、ああすればよかった、こうすればよかった〜は通じない。

起こってしまったことは戻らない。

貧困、生死、懺悔、後悔、感謝、

人間は、紙一重でどちらにも転ぶ。

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posted by わたなべあきお | - | -

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