忘れてしまいたい記憶こそ、いつまでもいつまでも
脳裏に焼き付いて離れないものだ。
空腹に耐えられず、店先のリンゴ一個に手を伸ばしたとき・・・
母親の買い物籠の中の財布に手を伸ばしたとき・・・
海に落ちて、友達の差し出した釣竿に掴まったとき・・・
路地を飛び出して、車のドアにおでこを擦られたとき・・・
あの時、ああすればよかった、こうすればよかった〜は通じない。
起こってしまったことは戻らない。
貧困、生死、懺悔、後悔、感謝、
人間は、紙一重でどちらにも転ぶ。