「どうしてそんなに、苦しい方へ苦しい方へ行くの?」
彼女はそう言って悲しそうな顔をした。
その時に、哲学めいた考えで動けていたわけはないのだが
僕は三叉路や十字路に出くわしたとき
確かに、狭い道やでこぼこ道やトンネルのような道を進んだ。
結果・・・
彼女と手を繫いで進む道は無くなってしまったのだが
彼女はわかってくれていたと思う。
若すぎた・・・いや、幼すぎた。
何があっても何とかなる時代ではあったけど
頼り切ってしまう自分が惨めに思えた。