雨の狭い坂道で
踏みつぶされたカタツムリがいた
あと50センチほどで
土や草のあるところだったのに
僕は自分を彼に投影していた
目的地へ届けてやろうか・・・
と一瞬思ったが
なぜか僕は通り過ぎてしまった
その行為さえも
僕は裏返しの投影と見ていたのかもしれない
あらゆるみんなが無関心だ
踏みつけた人だって
何の罪悪感もなく去って行ったにちがいない
落ち葉か果実か犬の糞のように
僕は人間の心の残虐性を思った
無意識の中の悪魔
あの坂道は人通りもほとんどなく
静かな安全地帯であったはずなのに
またしても僕は
わが身を重ねていた
posted by
わたなべあきお | - | -