背景の記憶(140)

 僕が21〜23歳のころ、英会話教室へ通っていた時の先生がステファニィーという名のアメリカ人女性で、個人授業も受けるほどの関係だったことは、以前にもどこかで書いたと思う。
 彼女はSという日本姓があったので、ミセスというのは分かっていたのだが、その旦那が当時かなり有名な(アンダーグランド的世界ではあるが)ロックバンドのヴォーカリストだったということ知ったのは、随分と時を経て読んだ花村満月の小説の中に、その名が登場した時のことだった。(このこともどこかで書いた記憶がある)
 今日、そのバンドのギタリストの訃報を目にして、改めてweb上で検索してみた。そこで分かったことは、彼女(先生)は、僕が教室をやめた翌年くらいにアメリカへ帰国したということだ。
 まだずっと京都にいるのかな・・・というほのかな思いを抱き続けていたので、ちょっと落胆した自分だった。

 ローリングストーンズ、スバル360、ブロンズヘアー、小学校漢字ドリル、
様々なことが蘇った。おそらく当時の彼女の取り巻きは、僕とはまったく正反対に位置する環境だったに違いない。僕がそれらしき風体をしていたとしても、それはあくまでもカジリであり、真似事にすぎなかった。ドラッグに象徴されるような危険地帯(?)に、彼女は間違いなくいたはずだ。
 やや自惚れ的に言えば・・・まったく対極にいる僕という存在が、彼女には新鮮に映ったのではあるまいか?・・・と。25.8.15.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

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