サヨナラ

♪あなたを乗せた船が 小さくなってゆく・・・

夢の中でこのフレーズを口ずさむ僕がいた。

波止場の別れは殊更寂しさが増幅する。

距離と時間がスローモーションのようで、つい下を向いてしまう。

映画のようにじっと見つめることのできない僕だった。

ここで「蛍の光」でも流れたら、僕は泣き出していたかもしれない。

細かな表情も分からなくなってから、大きく手を振る君だった。

僕は見送りの人たちの一番後ろに移動して、両手を大きく振った。

湾の外へ小さくなってゆく船は、永遠の別れを予感させた。26.5.10-2.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

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