蓮の花

二十歳の夏

「父よさらば 哀れな継母よさらば 兄よ 姉よ 義弟よ・・・」

と綴った僕は、何と傲慢だったのだろう

父の慟哭の涙も知らず

義母の辛苦も思いやらず

兄、姉の胸の痛みにも気づかず

義弟の罪の無さも省みず・・・



言い訳がましい気もするが

敢てそう言い放つことでしか

自分を叱咤する方法がみつからなかったんだ・・・きっと

行く当てもなく放り出された流れ星に似て

僕は宇宙を彷徨った

ぶつかる天空の塵の痛みは、殊の外激烈で

燃え尽きるまでの消滅を覚悟した

そして・・・確かに消えた・・・無くなった


愚かにも目覚めた時

僕は蓮の花の上に横たわっていた

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posted by わたなべあきお | - | -

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