スローライフ

 そもそも警鐘というものは、そうなってしまったのでは手後れだから鳴らすわけだが、しかし残念ながら、人間は極まるところまで行かないと自覚できない厄介な生き物みたいだ。

 評論家を気取るわけでもないし、テレビのコメンテーターに対抗するわけでもないが、地球そのもがどうなるのか危ぶまれるこの時代に、どの業界、どの分野でも、自分の領域だけを守るために必死になっている姿は、呆れを通り越して滑稽にさえ見える。

 

 

 世界の大勢を成す『資本主義』そのものが危うい時代に、ごく一部の(少数の)権益者のエゴがまかり通り、あたかもまだまだ先に光明が見えるとでもいうような意図的誘導には、漫画的にさえ思えてきてしようがない。

 とは言いながら現実は、自分もそうした矛盾だらけの世の中に生きているわけで、山に籠って仙人生活をするわけにもいかず(独りならやるかもしれないが・・・)、悶々とした葛藤の日々を送っているわけだ。

 日本では他国のような激しい抗議行動は影を潜め、むしろ死(自殺)をもって意思表示するような悲しい現実が、身近にも起こりつつある。♪誰のせいでもありゃしない、みんなオイラが悪いのさ・・・それでいいのだろうか?君は十分最善を尽くしたじゃないか!〜と悔やんでも彼は帰らない。

 高速で走り続けてきた車で、急ブレーキを踏めば、どんなことが連鎖的に起こるかは明白だろう。かと言ってよく使われる<ソフトランディング>なんてことは夢のまた夢というのも明白だ。だがしかしブレーキは踏まなければならない。


 <スローライフ>が当たり前で、最低限の豊かさでゆったりと生きて行ける時代が到来しますように。

posted by わたなべあきお | - | -

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