背景の記憶(232)

はにかむ君がいい
赤らめた頬がいい

拗ねて見せた横顔がいい
光る涙は本物だった

追いかけてきた君がいい
衝突を恐れない自転車に
君の本気を知った

必死に探す君がいい
曲がり角で身を隠した僕を
君は必死に探していた

僕を見つけた時の君がいい
僕の腕を抓る仕草が
ちょっと本気であどけなく可愛かった

忘年会の夜の君がいい
おめかしして別人のようだった
当然のように僕の隣に座ってくれた

電話の向こうの君がいい
携帯をonにして僕は歌った
歌詞に君への想いを重ねて・・・

透きとおる素肌の君がいい
男物のシャツの下に
僕は飛び上がるほど驚かされた

今はもう遠い
そう・・・遠い過去の想い出
でも、昨日のような鮮明さ

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posted by わたなべあきお | - | -

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