世捨て人

今読んでいる本の中に、ハッとする文言を見つけて驚く。

<世捨て人>

僕は二十歳のころ、叔父の依頼に乗って、離島での港湾建設の仕事の手伝いをしていた。
従業員のほとんどが出稼ぎ労働者で、その人たちを束ねるのが役目だった。
今なら犯罪ものだろうが(いや当時でもチャンとした犯罪か)、無免許で小型船やダンプを運転したり、潜水夫の命綱を握ったりしていた。
飯場では鹿児島出身の人たちの影響で、焼酎をしこたま呑んだ。父親のような世代の人たちに「アキちゃん、アキちゃん」と可愛がられた。
そんな賑わいの中から抜けて、夜中に波止場に熱転がって、星空を眺めるのが常だった。
そんな僕にある日叔父が、酔っていたせいもあるのだろう・・・「お前は、世捨て人みたいなやっちゃなぁ〜」と呟いた。(若干二十歳の人間に世捨て人か・・・)不思議と反感は覚えなかった。言い当てていたからかもしれない。そうなんだ、あのころ僕はもう、ある部分で達観していたところがあったんだ。母親のいない現世なんて・・・」と。

そして・・・27.9.28-3.jpg

<遺留分減殺請求>

遺産相続絡みの文言だ。
他人事と思えるようなことが現実となる。
もちろん度々あるわけもない事柄には違いないが、まさしくその渦中にある。
「事実は小説より奇なり」を実感する。

posted by わたなべあきお | - | -

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