言い聞かせ

夜中に降った雨が上がって  

む〜っとした湿気を含んだ空気が

からだに纏わりつく

早朝の坂道は人影も疎らで

雨を含んだアスファルト面が

まだら模様を形作っている


雨量が命を繫ぐほどでもなかったのか

相変わらず数匹のミミズが

路上で息絶えている

先の豪雨の激流が嘘のように

排水路はチョロチョロと物悲しい流れだ


元気な子供たちとも出くわさない

そうか夏休みだもんな

誰に言うわけでもなく呟いてみる


あれほど豪華に咲き誇った向日葵たちも

いまは色あせて寂しくうな垂れ

バトンタッチと言わんばかりに

紺色の朝顔が蔓のてっぺん辺りから咲き始めている


止まっているようでありながら

時は確実に刻まれて行く

自然の移り変わりと同じに

自分も刻一刻と

然るべきところに向かっているのだと

冷厳に言い聞かせる


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posted by わたなべあきお | - | -

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