老化
「女の子だったから・・・」と、二人目の孫の誕生を告げると、
「誰の子かね?初めての子かね?」と、トンチンカンな反応。
「もう八十だけんねぇ」と、電話の向こうの95才の父が言う。
「ボケてしまって、なんもわからんよ」
どこまでがどうなのか・・・たしかに思考能力や記憶力は低下しているみたいだ。
誰もが歩み行く道とは言え、寂しい想いが心を覆う。
出した二通の手紙の返事もない。
「何のことかいね?知らんよ」
電話より筆達者だった父のことだから・・・と思い、手紙にしたのに・・・。
近いうちに帰郷せねばなるまい。
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