わたなべあきおWeb

能忍

秋雨の降る夜の坂道

幼いころ、バス停で親の帰りを待っていた・・・

あの時の何とも言えない寂しさに似た感情に包まれる。

誰を恨むわけでもない。

誰を羨むわけでもない。

ましてや、時の巡りあわせや世の中を憂うわけでもない。

ただ・・・ただ・・・

己の非力、至らなさを思うのみ。

ふと

♪今はもう秋 誰もいない海
 知らん顔して ひとが行きすぎても
 わたしは 忘れない
 海に約束したから
 辛くても 辛くても
 死にはしないと

♪僕は 呼びかけはしない
 遠く過ぎ去るものに
 僕は 呼びかけはしない
 かたわらを行くものさえ
 見るがいい
 黒い水が 
 抱き込むように 流れてく
 少女よ 泣くのはお止め
 空も海も 川も土も
 みんな みんな
 たわむれの 口笛を吹く


<能忍>とは、仏の別号らしい。

ひたすら耐える。

ひたすら忍ぶ。

そして・・・その底から湧きあがるエネルギーに

己の未来を託してみよう。

 

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(Update : 2009/10/06)