罰当たり
年末の大掃除、押入れの奥から寝袋が出てきた。
懐かしい青春の遺物〜星の下で・・・安アパートの一室で・・・
蒲団代わりにお世話になった色褪せた寝袋。
長き歳月を経て、もう用無しと思えるのに、そうとも言えない社会情勢。
路上生活もあり得るかも・・・なんてことが心の中にちらついた りする。
地震などの災害も、職を失うことも無縁の世界とは言えないかも知れない〜この現実。
今日も仕事場で、会社閉鎖に纏わる労使のバトル話を聞いたばかりだ。
「俺ひとりの問題じゃないんだぞ!」
「皆には、嫁も子供もぶら下がってるんだ!」
団体交渉の数か月、代表で頑張った彼は、極度のストレスで眠れぬ夜が続いたと言う。
そして様々な修羅場を思い出す度に、今でも胸が締め付けられるようだと言う。
しかし、次の職場に有り付けた彼は、まだ幸せ者かも知れない。
テレビの報道を見るたびに、つくずくそう思う。
なんとか年を越せそうなこと・・・これを喜ばなくては、それこそ罰があたるというもんだ。
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