わたなべあきおWeb

月夜三題

   (一)

天はその蒼貌を掻き乱し

潮騒が遠く響いていた

企図と挫折とが絶えなかった



   (二)

ボオー

牛の吠えるような汽笛が消えていった

弦月はひとり海を照らしている

天地のしろいしじま


   (三)

海はま白く

岩膚のふかいかげり

しょうこともなし

私もきっと濡れてるにちがいない

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(Update : 2008/08/08)