夏祭 櫓や 幟や 洗い晒しの浴衣や 団子や 煮しめや それらがどうしたというのだろう 暮れなずむ 峠を越えて 隣部落の砂浜に 少年の私は 何を上気していたのだろう 灰色の沖が運んでくる 湿っぽい汐の香り 静かで 浮ついて 人々が うようよと 行き来している 祭りの記憶 (渡部華生)
(Update : 2007/10/01)