背景の記憶(16)
お盆と言えば精霊流し・・・
島の行事にかすかな記憶が残っている。
あれは・・・夕暮れ時だったろうか?まったくの夜ではなかったような気がする。
当然ながら、場所は海。
藁縄で作ったかなり大きな舟に、それぞれの家庭からお供え物等が乗せられていった。何か明かりが灯されたかどうかは記憶が定かではない。
その藁舟を、一隻の手漕ぎ舟が湾の沖の方へと引っ張って行く。
湾の中程を越えたところだったろうか?藁舟は徐々に海中へと沈みかけて行く・・・。
見送る人達は・・・手を合わせ祈っていたのかどうなのか?これまた記憶がない。
それにしても・・・海に消えゆく、いや海に戻る精霊。いちばん相応しい形なのかも知れない。
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