わたなべあきおWeb

背景の記憶(16)

photoお盆と言えば精霊流し・・・

島の行事にかすかな記憶が残っている。

あれは・・・夕暮れ時だったろうか?まったくの夜ではなかったような気がする。

当然ながら、場所は海。

藁縄で作ったかなり大きな舟に、それぞれの家庭からお供え物等が乗せられていった。何か明かりが灯されたかどうかは記憶が定かではない。

その藁舟を、一隻の手漕ぎ舟が湾の沖の方へと引っ張って行く。

湾の中程を越えたところだったろうか?藁舟は徐々に海中へと沈みかけて行く・・・。

見送る人達は・・・手を合わせ祈っていたのかどうなのか?これまた記憶がない。

それにしても・・・海に消えゆく、いや海に戻る精霊。いちばん相応しい形なのかも知れない。

(Update : 2007/08/15)