「お主もワルよの〜」
「定価の二倍も三倍もの値で売ってるとか言うのなら、問題になるけど、そうでなければ・・・何も文句は言えんな。たとえナベさんから見て高額だとしても、客に納得させて販売したものなら、むしろセールスが上手いということちゃうか?」
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「商売に良心や親切を持ち込んだら・・・この時代〜生き抜いて行けへんで。そんなんで潰れてるとこ〜なんぼでもあるで。」
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「たとえば、そういうのが回って来た時に、半値でやってたらアカンで〜ナベさん。イイ材料提供してもろたと思って、せいぜい二割引くらいで売るんやな。」
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「ナベさんみたいに、原価や市場価格なんかを、変に知ってる者が、そういう板挟みの心理状態になるんや。定価で売って何が悪い〜くらいでやらにゃ・・・生きて行けんで。」
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「ナベさんが良心的に安くしてあげたとしても、それよりもまだ安い大型スーパーやネットの世界やあるやろ?それに対しては、どう思うんや?要は・・・やったもん勝ちやで。」
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「ランクを言うたらアカンかも知れへんけど・・・一銭もまからん高級車を、なんも文句言わんと買う客もいるんや。それにな、年寄りに三つも四つも選択肢を出したらアカン。かえって迷いよる。一番エエもんを、コレ!ってズバッ」と出すんや。年寄り金持っとるしな・・・買いよるて。」
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「ナベさんは、営業から施工まで知ってて〜やるやろ?そやけど・・・あいつらはな、営業はその営業だけが勝負なんや。そら・・・口も上手うなるで。騙すかどうかのスレスレの線もあるやろな。」
大きな名前の看板を掲げた会社の社長さんの言葉である。
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