わたなべあきおWeb

背景の記憶(8)

祖父母の居なくなった島の実家

うす暗い中二階の部屋に

糸の切れた三味線が、無造作に置かれていた

結婚前、義弟と三人で帰ったとき

祖父が三味線を弾き、祖母がきれいな高音で唄ってくれた

どっさり、しげさ節・・・

本しげさは唄えないけど

新しげさを口ずさんでみる

♪忘れしゃんすな〜・・・・・・・・

薪で焚く五右衛門風呂

モクモクと立ち上る煙と煤の臭い

囲炉裏の何とも言えない風情

広い中庭、離れのトイレ、牛舎、馬小屋、米搗き場

湧き水の水汲み作業

三味線の音とともに、様々な光景が思い浮かぶ

祖父母はあの世でも

共に唄い奏でているだろうか?

(Update : 2007/06/29)