背景の記憶(3)
怖〜い記憶がある。
小学五年生のころだったろうか?
宍道湖の嫁ケ島近くで干拓事業があり、その干拓地は、僕たちの格好の遊び場となっていた。
僅かに残った水路を、如何に飛び越えるかに夢中になっていたとき、背後に嫌な気配を感じた。
先に飛んでいた友達は、僕を残したまま走り去ってしまった。
僕は振り向く勇気もなく、かといって勢いをつける距離も保てず、一瞬固まってしまったが・・・男の手が僕の腕を掴もうとする寸前にジャンプした。
片足がズボッと泥にはまったが、とにかく振り向かず一目散に逃げた。走っても走っても・・・追いかけられてるんじゃないかという恐怖が付きまとった。
それっきりその場所には行かなくなった。
誘拐?変質者?
アルバムには、誰が撮ってくれたのか分らない〜ジャンプに夢中の僕たちがいるのだが・・・。
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