わたなべあきおWeb

背景の記憶(3)

怖〜い記憶がある。

小学五年生のころだったろうか?

宍道湖の嫁ケ島近くで干拓事業があり、その干拓地は、僕たちの格好の遊び場となっていた。

僅かに残った水路を、如何に飛び越えるかに夢中になっていたとき、背後に嫌な気配を感じた。

先に飛んでいた友達は、僕を残したまま走り去ってしまった。

僕は振り向く勇気もなく、かといって勢いをつける距離も保てず、一瞬固まってしまったが・・・男の手が僕の腕を掴もうとする寸前にジャンプした。

片足がズボッと泥にはまったが、とにかく振り向かず一目散に逃げた。走っても走っても・・・追いかけられてるんじゃないかという恐怖が付きまとった。

それっきりその場所には行かなくなった。

誘拐?変質者?

アルバムには、誰が撮ってくれたのか分らない〜ジャンプに夢中の僕たちがいるのだが・・・。

(Update : 2007/06/18)