問答
監視員らしき声がする
「どうだい?独り部屋の気分は?」
どうってことないさ 檻があるかないか・・・どっちにしたって同じことさ これまでだって、自分で立てかけた壁の中にいたんだから・・・ 部屋に独り〜という孤独感よりも、雑踏の中のソレの方がはるかに堪えるものさ
「随分と厭世的だね」
そうじゃないさ とことん自分を追い込んでみたいだけさ 暗闇の中で黒の中に真っ黒を見つけるように・・・ 青春時代にも出くわした記憶がある 人は・・・精神の錯乱と見るのかな? 見つめる眼が、そう語っているさ
表向きの自分は、過ぎるくらいにしっかりしてるさ 商談も、各種総会の挨拶も、彼岸会の対応も・・・ 完璧すぎるくらいの自分がいる
そんな自分を・・・じっと見つめ続ける〜もう一人の自分 もう〜脚色は要らないね シンプルがイイ・・・イイに決まってるさ
「独り言の多いヤツだな、どうかなっちゃうぜ〜もう寝ろよ」
ふん・・・俺はずっと寝ているさ 眠ってないだけさ 芯は眠らない〜永遠に眠らない
明日は・・・久し振りに、自画像を描いてみよう
|