じわじわと・・・
ごく身近なところで、所謂「認知症」と言われる人達が増え、これ程までかと驚きを隠せない。加えてその家族の物心両面での負担も想像を超えるものであり、他人事ではないと、最近頓にそう思う。
先日帰省した際に、叔母にあることを頼まれた。濃い繋がりではないが、親戚とされるYさんが老人ホームに入所しており、もうかなりの年月が経つ。その後見人に叔父がなっていたのだが、叔父がもう認知症で、その役割を果たせなくなり、住まいも僕が近いので後を頼むということだった。
僕らよりはるかに近しい親戚が存在するはずなのだが、音信不通とのこと。わずかながらとは言え、家、土地の財産もあるとは聞いていたが、それももうあてには出来ない状況らしい。何とも寂しく悲しい話である。
こちらへ帰ってからホームへ連絡をとってみると、Yさん自身も認知症で、ほとんど過去の記憶もなく、身体的にも何時病院のお世話になってもおかしくない状況で、「いざと言うときの同意をして頂くことになりますが・・・」とのこと。今問題の延命治療やそれの打ち切りといった時点での、同意を意味しているらしかった。
どんな人生を歩んできたYさんなのか?若い頃の羽振りの良さは知っている僕ではあるが、晩年にこういうことになるのは、辛いものがある。やはり人間は、銭金ではなくて、貧しくとも心身ともに健康というのが最大の幸福であると、つくづく思い知らされた話である。
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