戦争・国
ロシアのゴロウィン提督に、日本の国是鎖国の理由をといた幕府役人のことば・・・
「近世欧州の歴史は戦争のたえまない継続だ。もしわが国が開国すれば、必ずその戦争の仲間入りをせねばならぬと理解する。わが国は武勇の国ゆゑ戦争には決して敗けぬが、戦争自体が文明に非ず人道に非ざるゆゑに、これに加わりたくない、これが鎖国の悲願だ・・・。」
このことばにゴロウィンは自分は何一言もいふことが出来なかったと述懐してゐる。
(日本浪曼派の時代/保田與重郎)
娘とふたりで、甲子園へ高校野球観戦に行った帰りのバスで、近所に住む女性と一緒になった。彼女は自然素材を遣った独特の創作織物を生業としているのだが・・・。
バス停から家までの歩きながらの会話の中に、なるほどと考えさせられる言葉がたくさんあった。
「テレビを見なくなって五年。新聞をとらなくなってそれ以上・・・情報が多すぎるのも考えものよね。ほとんどがくだらないことばかりだもんね。最近は読書ばかりしてますよ・・・。」
「先日、ブータンの国王の話を読んだんだけど・・・国王曰く『国は貧しくても、国民が幸せなら〜それでいい』ですって。」
日本でもそうだけど、世界でも・・・秘境、楽園とされる自然の地が、様々な観光開発の名のもとに汚染され、その本来の価値を失って行く。僕の生まれの地だって、離島振興策やら何やらで、ある面では本土以上の設備や施設があり、ビックリさせられる。
ブータンの話ではないが・・・貧しくても、その日暮らしでも、美しい自然に囲まれた生活がいちばんではないのだろうか?しかし、これを言うと・・・現実の一部分しか見ていないから、そんなことが言えるのだと、即座に反論されるのは解っている。貧しいより豊かな方がイイに決まっている。でも・・・なぜこの速度なのか?何を急いでいるのだろうか?行き着く所は何?そこが本当の意味の幸せ?
アメリカに代表される・・・主義や文化の押しつけ!人権や自由という言葉を振りかざして、現実、人を殺戮しているということには、単純に矛盾を感じる。乱暴な飛躍した言い方かも知れないけれど・・・日本は、属国と化し、本来持ち合わせた純な心を売ってしまっったのかも知れない。国粋主義や純血主義を語るつもりは更々ないけれども、静かに瞑想したときに、このままでいいのかな?は、普通の日本人なら誰しもが抱く感慨ではなかろうか?
戦後生まれの、それこそ<戦争を知らないこどもたち>がイイ大人になって吐く言葉としては、説得力に欠けるかも知れないが、せめて自分はこうありたいと思い書き記した「終戦の日」。
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