わたなべあきおWeb

黄金時代

『すべての「個」にとって、黄金時代が、少年期から青年期の初葉にある』と、吉本隆明の言葉にあるが、たしかにそうかも知れない。

黄金時代とは、必ずしも成熟した体験を意味するのではなく、クライマックスという意味でもなく、おそらくは、新鮮な感動、未知への誘惑といったものを意味しているのだと思える。

その意味からすれば、その後の人生の諸体験は、幼い頃に創ったドラマのリメイク版と言えるのかも知れない。用意周到で綿密な展開はあるにしても、どうなるかわからない〜ワクワク感は、子供時代のソレには、はるかに及ばないような気がする。

夢を語らず、用意された答えに自分を当てはめてゆくだけの作業は、一体何時代と呼べばいいのだろうか?

(Update : 2006/07/03)