痴呆の始まり
早朝、電話が鳴る。 「わたなべさ〜ん、ガスが出〜しまへんにゃわ・・・」 また・・いや、またまたまた・・Oさんからだ。 「こんなコンロあきまへんわ・・」 三ヶ月前に取り替えたところだ。
昨年の今頃だっただろうか・・。同じようなことで連絡が入り出向いてみると、設備には異常はなくガスの元栓が閉まっていた。電気でも似たようなことがあるという。これ又コンセントからプラグが抜けている。電気屋さんに言ってもきてくれないし、来てくれたとしても出張費で一万円も取られると言う。ほんとならガスも出張費の2〜3千円はとられるだろう。
その時はさほど深刻には感じなかったのだが、老夫婦の二人暮らし・・こんなこともあるか〜くらいに考えていたのだが、だんだんとサイクルが縮まってきたように思える。しかもご夫婦二人ともである。今回はもう今月に入って二回目だ。
これは<ボケの始まりだな>そう思うようになった。いくら電話で説明しても理解できない。とにかく「来て欲しい」の一点張り。
子供さんはどうしておられるのだろう?ふと・・考えてしまう。そして田舎の親父夫婦のことも考える。親父は電話の受け答えはしっかりしているから、今のところ安心してはいるけれど・・。
そしてまた想いは重くなる。今話題の老人をターゲットにした悪質なリフォームや金品に絡む詐欺行為。Oさん宅も格好のお客様?だ。
とにかく今回は息子さんか娘さんのことを尋ねてみようと想う。
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