わたなべあきおWeb

走る

躊躇と戸惑いに見えた足踏みは

沈思黙考のそれであった。

意を決し、走り出したきみは

真っ直ぐに彼に向って行った。

差し伸べられた手を掴み

ふたりはもう併走していた。

颯爽としたその走り姿に

暗い影は微塵もなかった。



(Update : 2005/06/06)