わたなべあきおWeb

輝きながら

〔心の時代〕と言われて久しいけれど、ますます砂漠のような荒廃した社会現象の連続のように思えてならない。少数の善意は隅っこに押しやられ、多数決こそ民主主義と傲慢と仮面をかぶった暴力がまかり通る。

数だけのベストセラー作家がもてはやされ、本物の求道者は煙たがられ疎外される。一隅を照らす貴重な賢者は、ほとんどその高い存在価値を認められず、不遇に終るケースが多い。芸術も思想も教育も・・・。

純粋な心を持つ天使たちは、この世の居場所を見つけられず、俗世と隔絶した孤立した世界へと旅立つ。世間は逃避と敗北の言葉で罵る。蔑まされるべき存在は自分たちであることに一生気づくことなくその生涯を終える。欺瞞に満ちた賞賛と羨望の眼差しを受けて。

末法はホントに今だなと切実に思う。はるか何千年昔の人間の方が、真に人間らしく賢かったんだと、心からそう思う。魂の存在、魂の不滅を信じる僕ではあるが、数知れぬ生まれ変わり死に変わりの繰り返しの果てに、その中核は穢れに穢れ、本来の光りの輝きはもはや蘇ることはないのだろうか。

しかし一人(いちにん)の人の眩しき閃光に出逢ったとき、その萎えた心は生き返る。あなたがその人であるように、私もそんな人でありたいと思うのです。

(Update : 2004/05/26)