わたなべあきおWeb

人生模様

人間は障壁が大きければ大きいほど燃えるものだ。過去に乗り越えた悦びを知っている人は余計に。逆に言えば、平坦な道は味気なくつまらない道程かも知れない。

直線の最短コースを良しとする人も多い。いやむしろ大多数かも知れない。意図的に回り道をしたり逆進したりするのは、必ずしも収穫が大きいとは限らない。ある程度の結果予測を伴うからである。

否応なく投げ出された、放り込まれた環境(場面)こそに、真のドラマは生まれると言っていいかも知れない。そのなかの実体験こそが、己の血肉となりうるのかも知れない。

世を恨み、天を憾むあいだは、なにも身に付かない。それは人相にも如実に表われる。罰は天が与えるものではない。罰は自らが掘った穴である。正直者は馬鹿を見ない。いつか必ず最後には報われる。打算の人生は破滅への道である。

人生はマラソンや山登りにたとえられる。僕は途中棄権しそうなくらい走ることに疲れ果て、歩き続けた時期があった。僕は予期せぬ雪崩に押し流され、雪中に生死を彷徨った。どんなときにも必ずもう一人の自分は出現し、手を差し伸べ、背中を押す。


(Update : 2004/05/19)