わたなべあきおWeb

男のエゴ

ここ半年ばかりの様々な体験を通して、僕はある一つの命題に到達したように思う。それは男のエゴで、表現を変えれば男のわがまま、男の冷たさとも言えるかも知れない。

男は一歩外に出れば・・・と言うけれども、いわゆる家庭外での時間は壮絶な戦いの場でもあり、種々多様なストレス発生の源であることは否めない。

それは大抵の男の宿命でもあるのだが、問題はそれらストレスを如何に解消するかにある。帰り道の酒場に捨ててくるのか、余暇の趣味の世界で発散するのか、はたまた・・・。

前置きが長すぎたが、結論的に言えば、女(妻)の立場はどうなるのかと言う話である。男は当然のごとくに自分の不平不満を女にぶちまける。まるで聞き役が、一つの女の勤めであるかのように。言葉は悪いが掃きだめのように。

それじゃあ女のぶちまけどころはどこにあるの・・・ということだろう。子どものこと、嫁姑のこと、近所付合いのこと、こうした日常に不意の病気や事故でも重なろうものなら、男の外界どころの比ではない。男のそれとはレベルが違うとは言わせない。

だから僕はここのところ、優しさとか思いやりとかをキーワードにして書いている。偶然とは思えないくらい、同じような女性の声(悲鳴・叫び声)が聞こえてきたからである。

僕はたまたま聞き役であり、相談を受けた立場であるけれども、その中でふと「俺はどうなんだ?」と自分に問いかけている。夫婦だと、どっかで当たり前と思い、そうするつもりでなくても結果として冷淡になっているのかも知れない。

女の側が男と同等の解消法・解決法をとったとしたら、世の男性はどう対処するだろうか。女のくせに、女の分際でと一蹴するのであろうか。真剣に心の痛みを思いやり慰め、背中をさする男が何人いるだろうか。

そんなことを真面目に考えさせられる、女性のSOSであり、嘆きであり、切実な告白であった。僕の存在で、少しでも彼女たちの心の傷が癒えたのなら、それは僕には素直に嬉しいことであり、一方男の端くれとして、貴重な人生勉強をさせていただいたと言う思いがある。

頑張って欲しい。
負けないで欲しい。
希望を持って欲しい。
(それぞれの連れ合いさん、優しくしてあげてよね)

そう祈らずには居れない僕なのです。

(Update : 2004/05/11)