男と女のあいだ
この世は男と女・・・というのは当たり前のことなのだが、僕が絡んだ男(自分)と女の間には、何かが起こるように見えて、実は結局何も起こらない。
そうした男と女の風景を、もの足りなく思う自分もどこかにあるのだが、しかしそんな結末が僕という男にはお似合いなのだろう。
ひとは臆病と言い、僕は節度と自己弁護する。
僕は何かが起こる前段階までに、もっとも大きな凝縮された、かけがえのない宇宙があると思っている。
もちろん現実はその間に否応なしに入り込んで来るのだけれども、僕はその結末に被害者意識は持てなくて、いわゆる別れても好きなひと・・みたいな経験の方が多い様な気がする。
失って、つぎなる優しさを求めて・・・そして巡り逢えて・・・そんな繰り返しの青春時代だったのだろうか。
言い訳がましく聞こえるかも知れないが、ぼんやりとしたテーマ性をもった情景が、僕の心を支配しようとしていた。それは男女の情を超えた、男と女の間の友愛とも言える魂の交錯であって、廻りの雑音に心をチクリとやられながらも、大切に護り通した世界だったのかも知れない。
|