素(す)がいい
時たま、人様のホームページ巡りをするのだけれども、色々あって興味深い。ものを書くと言うことは、ある自己顕示・自己満足の世界なのだろうけれども、ひとに読まれている、見られているという意識は必ずどこかに持っていると思う。
勿論僕自身にもあるかも知れないけれども、僕は気を衒った文章や受けを過剰に狙った文章には、ちょっと抵抗がある。度が過ぎると言葉の遊びや斜に構えた表現になって、どうも当人の本質が見えてこないのがかなりある。
話はちょっと横道にそれるが、当世は昔と違って、一級建築士は掃いて捨てるほどいて、その設計デザインの世界にも似たような傾向を感じる時がある。一般的なものとの違いを際だたせようとするあまり、やたらとアーチ型とか円形とかを使いたがる。実用性に乏しいデザイン優先の部分が多すぎたり、カラーにも奇抜なのが多かったりする。こんな感想は僕だけではないだろう。もっと中身のある、味わいのある、実用性に富んだ、う〜ん・・と唸らせる作品に巡り逢いたいものだと思う。
話を戻して、僕は【素】がいいなと思う。言葉を加えれば、素にちょっと隠し味がちりばめられているのがいいと思う。女性で言えば、素顔に近い薄化粧がいい。ほのかな頬紅と口紅がいい・・・(言い方がちと古いな)。どこかのおばさんみたいに朝と壁塗り工事?以後でまったくの別人に化けられると、一種の恐怖感さえ覚えてしまう。
何事も、あくまでも素をベースに保ちつつ、適度にうっすらコーティング致しましょう。時にはワンポイントもあしらいましょう。
哀愁漂う、洒落っ気のある、胸にじーんとくる、生きる元気が出る・・・そんな、そんな文章が書きたいと思う僕なのですが、まだまだ修行が足りません。何時の日のことでしょう。当分は素っ裸で行きますかな。
《夕暮れ迫り》
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