鍵
僕は心の部屋に鍵をかけた
ナンバーキーロック
番号を覚えるつもりは 初めからなかった
でも 開けようと思えば一発で開く
そんな番号のような気がした
徒労の数字遊びは もう嫌だ と思った
寝転がって見る 白い天井が スクリーンとなった
懐かしい8ミリ映像のような きめの粗い動きが映し出された
白黒の画面で あの人だけが カラーで微笑んでいた
そして・・・
あのひとが 背中を向けて 歩き始めたとろで
フィルムは 切れた
器械の 空回りの音だけが 部屋の中で空しく響いた
《雨の夜・遠くにポツンと京都タワー》
|