決戦(第1ラウンド)
いよいよ決戦の時が来ました。水面下での闘いはかなり前から続いていて、いわゆる前哨戦もそれなりに激しいものがありました。
至らぬながらも組織の長として努めてきましたが、敗戦覚悟の玉砕的な闘いになりそうです。事が心理的問題であり、僕が弁護(代弁)しようととする側は弱小(少数派)であり、相手はどう見ても勝ち目のない強大な存在であり・・・一方それに立ち向かおうとする僕は丸腰で、武器と言えば自分で言う正義(誠実)だけで・・・やはり無謀な闘いであることは間違いなくて・・・。
シュミレーション(1)
「事が正しければ、どんな表現をとってもいいのでしょうか?」
『本当のことですから。はっきりとそのまま指摘するのが親切というものです』
「あなたの言葉の暴力で、どれだけの人が傷ついているか、ご存じですか?」
『それは自分の非を人に転嫁する卑怯な論法です』
「わたしが言いたいのは、事の正悪ではありません。悪を認めた上で、その言われ方を問うているのです。糾弾、断罪に等しい厳しすぎる言葉の暴力ではないのですか?」
『あなたは甘い。そんなことでその職務が勤まるとでも思っているのですか』
「そんなことは百も承知で、あえて申し上げているのです」
『あなたに言われる筋合いはありません。正しいことは正しい。間違いは間違い。それをきちんと示すのがわたしの役務です』
「だから・・・もう少し穏やかに、噛んで含めて教え諭すような思いやりというか、本当の意味の優しさを持っていただけないでしょうか?」
『それはあなたの役目でしょう』
「えっ!?」
『間を取り持つのがあなたの役目でしょう・・と言っているのです。まだわかりませんか』
「それは無理と言うより、無茶です」
『あなたは誰の味方ですか』
「わたしは是々非々論者です。誰かに固定して組するつもりは毛頭ありません」
『何事も大所高所で判断しなければ過ちを犯しますよ。真理は時に非情、冷酷なものなのです』
「言われることは、理解できますが、わたしはそのようには出来ません。くどいようですが、あなたの表現しだいであの人たちは救われるかも知れないのですよ」
『そこまで目線を下げるつもりはありません。わからなければそれだけの人ということです』
「・・・・・・・」
ここまでわかっている闘い。挑む意義があるのだろうか。
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