| 雨の夜は・・・もの思いに耽る 雨の夜です
 しんみりとした心の中で 時がゆっくりと流れて行きます
 
 雨の日の 独りのアパートは とても淋しかった・・・
 
 でも・・・その重い空気が また好きな僕でもあった
 
 窓をつたう雨の雫が 僕の涙と重なって ぼやけて見えた
 
 隣の部屋のドアなのに 反応して腰を浮かす自分がいた
 
 ありもしないことなのに・・・
 
 誰も来るあてなどないくせに・・・
 
 寝ころんで見る 壁のシルヴィーヴァルタンの横顔の
 
 半開きの唇が好きだった・・・
 
 そして 自然と口ずさんでいた・・・
 
 ♪恋の悦びに 輝いている・・・♪
 ♪あなたのために美しくなりたいの・・・♪
 ♪いつまでも愛して・・・♪
 
 いつの間にか僕は深い眠りの中へ吸い込まれていった
 
 そして 逢えるはずもないあなたが ドアをノックした
 
 夢か 現実か 静寂が僕の判断を鈍らせた
 
 目を開けると あなたは窓の雨に消えていった
 
 
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