わたなべあきおWeb

この街を出て行こう

僕の口からサヨナラを言うのは、とても辛く躊躇する自分がいて・・・。

僕自身が別れを告げられた立場の心を、誰よりも痛いほど解っていたから・・・。

好きだという思いが強ければ強いほど、別れの仕打ちはその二乗倍に苦しくて・・・。

でもだからと言って、結末を隠してきみに合わせる自分には、男としての罪悪感が強すぎて・・・。

それに失恋で打ちのめされた今の僕には、か弱い(普通の)きみを守ってあげられるだけの自信と強さが持てなくて・・・。

でも・・・同じ街にいるという環境では、今度は僕の方が耐えられそうになくて・・・。

だから・・・僕はこの街を出て行こうと思うんだ。

勇気を持って、心を鬼にして、やはり告げよう。
サヨナラしよう。お互い深い傷を残さない今のうちに・・・。

「傷なんて・・・、想い出を・・・。」それは一時の感傷的思いだよ。きっと、きっと・・・将来こんな別れを、良かったと思うときが必ず来るさ。

だから・・・だから・・・僕はこの街を出て行こう。





(Update : 2004/03/25)