わたなべあきおWeb

十分間スピーチ

日曜日、僕はある会合に出席していた。後半部分で僕はスピーチを頼まれていた。しかも中途半端な十分間。三分間スピ−チでも実際話すものにすれば、長く感じる時間である。しかし三分だと案外まとめやすいという経験がある。

僕は原稿は持たずに喋ることにしている。アドリブがきくと言うわけではなくて、下準備としてはかなり書くのであるが・・・。自分が人の話を聞いて、国会ではないが、原稿棒読みは情けなく聞こえるし、何よりも人の心に訴えるものがない。僕は雄弁家ではなくむしろ訥弁の方だが、心に響かせるコツみたいなものは体得出来ているように思っている。これは放送部経験のお陰だろうか。

しかしそんな僕も苦い経験は山ほどある。しっかり原稿は頭の中に入っているつもりが、話途中で真っ白!というのは何度もある。特にキーワード・キーセンテンスを忘れた時、白い世界は襲いかかってくる。その時の何とも言えない静寂・・・五秒十秒が何十分にも感じるのである。ああもう想い出したくない!

いよいよ僕の番が回ってきた。二百人くらいか。ひとりひとりの顔はハッキリ見える。アガルことも少なくなってきた。とにかく僕は自分の感覚で異常なくらい「ゆっくり」を心がけている。「間の効用」をいたいほど分かっているから。これに加えてここぞという一語・一文に強調が出来れば、ほぼスピーチとしては合格点をいただける筈である。しかしおごりは禁物、謙虚・正直をベースに持っていなければ、元も子もなくなる。

真面目な話なので、冗談や駄洒落ははさめないが・・・上からもの申すじゃなくて、教え諭すの部分は伝わっただろうか?僕は思うようにしている、「一人のひとに分かってもらえれば、一人のひとの心に響けば、それで良し!」と。

(Update : 2004/02/23)