少女
僕は心と反対に 早足で歩いていた
もう一人の自分は 彼女の足音を待っていた
曲がり角を目前にして 僕は迷った
曲がればもう逢えないよ
たかぶる熱情に 押し戻されて
僕は一目散に走り出していた
そして半泣きの彼女を見つけ
無言で抱きしめ たかいたかい!をしていた
ゴメンネ こんないじわるして 怖かっただろう
どうして 少女のピュアな心を 試すようなことしたんだろう
もう 二度としないよ ずっと一緒にいるよ
おんぶした僕の背中で 彼女はしっかりとしがみついていた
どこにこんな力が秘められているのかと思えるほどの強さで
やがて 安心したのか 急にからだが重くなった
僕は そっと前に抱きかかえ
その頬につたう涙を優しくぬぐい 頬擦りしていた
もう大丈夫だよ もうどこへも行かないよ
・・・・・・・
ハッと目覚めて起きて 自分の頬が濡れているのに戸惑った
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