わたなべあきおWeb

涙の理由

独りで歩く 星空の下

きみの残した ことばの ひとつひとつを

想い出し かみしめながら

きみの笑顔を 思い浮かべていた

笑顔のきみの頬に 涙がひとつ こぼれていた

嬉しいのに 淋しかった

ぼくの頬にも 涙が流れていた

安堵したのに 辛かった

涙 こんなに小さなくせに ぼくを苦しませる

何も聞かないで 何も言わないで

見上げる空の果て きみを追いかけて

その頬の涙を ぬぐってあげよう

見上げる空遠く 夢を追いかけて

ぼくの頬を 両の手で包んでくれるかい

見上げる空遠く その日を待ち侘びて

一歩また一歩 ぼくは名残を 踏みしめて歩く

きみの傷跡は この涙で癒せるかい

ぼくの心の洞は その涙で埋まるだろう

楽しかったあの日々 よみがえるぬくもり

きみの涙は いつか 頬を離れて行き

ぼくにやさしく微笑みかけてくれる

ぼくは ぼくは・・・

強く 次の一歩を 踏みつけた

こんな 別離を 誰も知らない

こんな わかれを 涙は知っている

こんな さよならを 星空は見守っている




(Update : 2004/01/10)