わたなべあきおWeb

「空に星があるように」

 所属するスポーツ団体の忘年会出席のため、息子に車で送ってもらったのだが、1時間も早かったのでそこらをブラブラしてみることにした。と言っても京都一の繁華街(河原町〜木屋町〜新京極)なので、おじさんには人混みは息苦しく、そこらのCDショップへ避難?したのだった。
 しかしここも若者ばかり。おじさんの居場所はどこにもない。幸いラフな格好をしていたので、そんなに浮いた存在とは感じなかったが・・・。
 店内をウロウロしていると、ふと目にとまったインデックスがあった。「荒木一郎」〜なつかしいなあ〜遠い昔(青春時代)よく歌った歌だ。最近やたらと昔を思い出す事が多いような気がする。それだけ年をとったということか。約束の時間が近くなったので、そのCDを購入して店を出た。
 会合そのものは食事会の延長のようなもので、ワイワイガヤガヤのうちに2時間が過ぎ、散会となった。いつもなら二次会、三次会と祇園あたりへ流れて行くのだが、体調が今ひとつ・・というのもあり、僕は失礼することにした。
 帰宅して早速CDを聞くことにした。飲み会でこんな時間に家にいることは信じられない。家族もそんな顔をしている。

    空に星があるように       荒木一郎

    空に星が あるように
    浜辺に砂が あるように
    ボクの心に たった一つの
    小さな夢が ありました

    風が東に 吹くように
    川が流れて 行くように
    時の流れに たった一つの
    小さな夢は 消えました

    淋しく 淋しく 星を見つめ
    ひとりで ひとりで 涙にぬれる
    何もかも すべては
    終わってしまったけれど
    何もかも まわりは
    消えてしまったけれど

    春に小雨が 降るように
    秋に枯葉が 散るように
    それは誰にも あるような
    ただの季節の かわりめの頃

 ホロ酔いのボンヤリとした心に、遠い昔の感傷がよみがえり歌が優しくしみこんできた。
 そして、ふと・・・あの人は今どうしているんだろう・・・と、目を閉じ心の空の星につぶやいてみた。   
 

(Update : 2003/12/03)