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「やるかやらないか」

 姿勢を正して、顔は朗らかに、しっかりと目を開き、人や物事をあたたかく見つめ、丁寧にお話を聞き、やさしい声で言葉をかける。

 この世界に人間として生まれてきた今回の自分、生きている今。かけがえの無いチャンスを逃さず、その命を最大化することが真実の仏教の説くところです。

 そのために、自分の所作振舞いを改良してゆく、練り上げてゆく、磨き上げてゆくことが大切です。性格でもなく、気分にも任せず、自分の行動、顔の表情から声色に至るまでをフラッシュアップしてゆくことが仏教の修行なのです。

 お祖師さまは、

「一日の命は三千界の財にもすぎて候なり」

「命と申すものは、一身第一の珍宝なり」

「命と申す物は、一切の財の中に第一の財なり」

とお諭しです。

果てしない宇宙の中で最高最上の宝物が自分に宿る「命」であり、これほど価値のある珍しい宝物はあり得ないと断言されています。その上で、この世に生きている間、命を最大化する道を示されました。

鎌倉期、数多くの宗教家が居ましたが、ここまで明確に「いま」「ここ」で生きる大切さを説いた宗教家はいません。世界中の開祖や教祖は諦めや恐怖、妄想や幻想、欲望や野望から教えを説きました。

ブッダとお祖師さま・日蓮聖人は全く次元が異なります。この世界が何とかならなければ、あちらの世界も何ともなりません。妄想から生まれた宗教を信じろことほど命の無駄はありません。

お祖師さまは、自分に迷わず、自分に負けず、命を最大化する道を説かれました。死ぬために生きるのではなく、生きるために死ぬ覚悟をする。命を最大化するために必要なことを教えておられます。

今生人界にめぐり逢えた奇跡。ただ一つの命、たった一度の人生、みんなでこの一日一日を、大切に、生きましょう。たくさんの現証の御利益を顕しましょう。

「教主釈尊の出生の本懐は人の振舞にて候けるぞ」

お釈迦さまがこの世にお出ましになった本当の目的は、人々の所作振舞、アクションのすべて、行動や言動、態度や挙動を改めさせることにあったとお諭です。

人間に生まれてきたのに、御法にお出値いできたのに、ブスッとしていたり、姿勢が悪く、起きているのか寝ているのか分からない、見るからに感謝も感動もないような人であったならば、佛立仏教が全く分かっていないということになります。

ご信心していたって悪いこともあります。思い通りにならないことの方が多いです。

しかし、ありとあらゆる出来事を受け止めてもなお、「ありがとうございます。」と言えるのがご信心。頭より心です。感情より意志です。意志とは信心のことです。悲観は感情、楽観は意志。信心で行動を起こす。行動して結果を出します。行動を起こして結果を待つのです。

正しいことを真実に、素直正直に、まっすぐに、やっていこう。とことん、とにかくやりましょう。末法は、誰が本物か選手権です。頭の中だけではダメ、棚からぼたもちは無い。待っていてもダメなのです。

よし、やろう。やるしかない。素直に、正直に、真面目に。動け、動けるならば、やれ、まだやれる。それしかないのです。

御教歌「信心は所作振舞いにあらはれて ものしりくさい所にはなし」

信心は、所作振舞いに現れる、ものしりくさい、頭でっかちなところにはない。素直で正直な心、偏らない、疑いの無い、迷いのない、まっすぐな想いで、行動することこそがご信心なのです。

ですから、その人のご信心前は、お給仕の姿、お看経の姿、御法門聴聞の眼差し、言動、表情、歩き方、動き方を見ていたら分かるのです。

佛立仏教を再興した開導聖人は、ものしりになる、ものしりになろうとすることが、習い損じの根源であり、分裂や衰退の要因であり、謗法や罪障に直結すると結論づけられました。

やるしかないのに、やれない。分かっているのにやめられない。これらも頭でっかちで、ずる賢いからです。それもこれも思い切り払って、行動を起こすのです。

理論も大切ですが、究極それが分かったら、自ら行動に現れます。「日蓮が法門は第三の法門なり」という究極の御法門が分かると、お寺や家の中から飛び出して駆けだす、走り出さずにはいられないのです。内側にこもって止まっているようでは、お祖師さまの教えが少しも分かっていないことになります。

突き詰めれば、自分こそ救い主、全ては自分次第、自分に負けるな、自分に溺れるな、ということです。

この命を授かった自分が大切。しかし、自分の眼は謗法と罪障に曇っていて、頼りにならない面もある。だから御題目をお唱えして、御本尊に自分を映す。素振りのようにこの作法を繰り返す。決して基本信行を忘れない。これも命を最大化するため、今生人界の生命を輝かせるためなのです。

ダンマパタという古い経典には、次のような言葉があります。
「みずから自分を励ませ。自ら自分を反省せよ。修行僧よ 自己を護り 正しい念いをもてば 汝は安楽に住するであろう。実に自己は自分の主であり自己は自分のよるべである。ゆえに自己をととのえよ。商人が良い馬を調教するように」

ブッダのご遺言にある「自灯明」「法灯明」と同様の意味です。

「自らを灯明とし、自らを依処として他人を依処とせず、法を依処として、他を依処とすることなかれ。」

これほど尊い信仰はありません。信じ仏法に御出値いして、謗法や罪障の雲が消え、自分に負けずに生きることができたら、まさに命の最大化、これほどの幸せはありません。

やるしかない、そんな年です。頭の中や、もっと言えば心の中身よりも、ご信心という意志を軸とした行動を重視すべき時です。

結果を出すためにも行動です。自分のありとあらゆる所作振舞を改良しましょう。

やるか、やらないか、自分次第の一年です。



(妙心寺報 一月号 巻頭言   長松清潤御導師)


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積極思考

『 行けるだけ 行けとて進む 信行に

            行かれぬように ならぬご利益 』


                   日扇聖人


難題や障壁が目の前に立ち塞がると、どうしてもネガティブになりがちだけれど

ここはとにかくポジティブに「一行」を貫いて、明るく勇ましく突き進まねばなり

ません。

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老い

『 ああ老いん 誰を恨みんようもなし わが怠りの 恨めしきかな 』

                  

                    日扇聖人


 まさしく実感である。自分の中では、そこそこやってきたつもりが、今、振り返ってみれば、もっと頑張ればよかった・・・もっとできただろう・・・が多すぎる。
しかし、後悔さきにたたず。
 拓郎の唄ではないけれど、「♪超えて行けそこを 越えて行けそれを・・・これからでも遅くない・・・今はまだ人生を語らず」 

 単なる年寄りの強がりに聞こえるだろうか。いや、自らに言い聞かせて来たじゃないか・・・
     <いつも青春 いつも青春 いつも心の流離い>
  

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心の闇

『妙法の 光の外に 月も日も

          人の心の 闇は照らさず』


幸せの中で、幸せの種を見つけることは難しい。

怖ろしい出来事とか、悲しい出来事の中で、私たちは

油断、矛盾を発見する。

            (長松 清潤 御導師)

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瞑の照覧

『大方は 人めつつしむばかりにて

          瞑の照覧 思はざりけり』



「行者、仏を忘るれば、仏、行者を忘れる」


             (日扇聖人)

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冥の照覧

『大方は 人めつゝしむばかりにて

          冥の照覧 おもはざりけり』


   「行者、仏を忘るれば

            仏、行者を忘れる」

        
                 開導 日扇聖人

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『はし鷹の 拳の下の温め鳥 恩を知らぬは 人にぞありける』
    日扇聖人

鷹は、一晩の暖の為に捕まえた小鳥を、朝方に逃がし、その日一日は、小鳥の逃げた方角へは狩をしないと言う。それに比べて人間は?

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スタート

仏教の基本は「人のせいにしない」ということ。

誰かのせいにしている間は、気づけない、直らない、

変われない、成長できない、幸せになれない。

まず、人のせいにするのを止めること。

そこからスタート。


            長松清潤 師

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改良

『そろそろと 改良すとは 思うなよ

             闇に灯 得たる如せよ』


                      日扇聖人

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宇宙のバランス

『箸片し 持っては往なぬ 娑婆のもの

         身に沿ふものは 功徳ばかりぞ』


                      (日扇聖人)


ステイ−ブ・ジョブが言ったように、億万長者になったって

それをあの世に持っていけるわけではない。しかし大方は

やたらと金、金、金に明け暮れている。

後進国が先進国を羨むように、人間もまた富を求めて止まない。

掴もうと思えば、それは必ず逃げて行く。

「喜んで捨てる」ところに、福は流れ込んでくる。

この微妙な宇宙のバランス。

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