お盆前
奈良の仕事の帰り、枚方で高速を下りて、母の眠る墓地へ向った。
お盆前の墓地は、夕暮れ時ということもあって人影もまばらで、静まりかえっている。しかし、日中の酷暑の余韻はそこかしこに残っていて、淀んだ空気が暑苦しい。
お花やお供え物は、カラスや日照りや雨風に荒らされて、そこら中に散らばっている。それらを拾い集めてゴミ袋に入れ、お墓で向こう三軒両隣と言うのも変だが、草を引きゴミを集める。
ちょっと早めのお盆休みで帰郷した人だろうか・・同じくお掃除に来たと想われる青年が、「すぐまた来るからね〜」とお墓に声をかけて去って行った。
お墓で眼前にその人が居る・・・そう想って語りかけ・・祈る。
それが一番素直なこころの表現。
「お母さん、暑かったやろう!長いことほっといてゴメンな」
<常盆・常彼岸>〜なかなかできないお弔い。
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