風
元旦の夜、故郷の父と叔父に電話を入れた。
父は90才、叔父も83才となった。
話の中、叔父が寂しそうにつぶやいた。
「あきお〜・・・振り返って見たら、谷川家では、わし一人に なってしまったわい・・・」(叔父は亡き母の弟)
僕は、いみじくも年賀状に書き添えた言葉を口にした。
「おじさ〜ん、谷川家の風は、いつも僕のこころの中に 吹いているよ〜今朝もお墓に参って逢ってきたからね〜」
電話の向こうの叔父の「それが一番嬉しい・・・」の 言葉が途切れ途切れに聞こえた。
ああ・・・しばらく帰ってないなあ・・・ 早いうちに顔を見に行こう! 電話を切って・・・そう思った。
|